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【インタビュー】安全性の確保が、建設業界のよりよい未来の形成に繋がる 田中建設株式会社

今回はSPIDERパネルを使って、足場施工した田中建設株式会社土木部土木課の担当課長である野口晴夫様(以下、野口課長)に、実際の所感を伺って来ました。

現場情報

  • 現場の特徴:橋長は55.5m、作業地点までSPIDERパネルで空中通路を設置
  • 完成年:1978年
  • 工事内容:橋梁補修工事
  • 使用機材:SPIDERパネル
  • 吊り足場面積:約350m2
  • 架設日数:14日間・解体5日間
  • 予定仮設期間:2022年10月~2023年3月

スパイダーパネルの使用によって、足場の隙間を気にする手間が省けた

ーーこれまでにスパイダーパネルのようなパネル式の足場を使ったことはありますか?

野口課長

パネル式の足場は何度か使用したことがあって、スパイダーパネルは最近使用頻度が増えてきました。

ーー今回橋梁の現場でスパイダーパネルを採用された経緯を教えてください。

野口課長

一緒にお仕事をする企業さんが、スパイダーパネルを採用していたため、その流れですね。

ーーありがとうございます。実際にスパイダーパネルを使用された所感を教えていただいてもよろしいでしょうか?

野口課長

仮設足場を設置する際は、その旨を所轄の労働基準監督署長に届ける必要があります。仮設足場の設置時には隙間基準が設けられていて、スパイダーパネルは隙間を気にする必要がなく、その基準を簡単にクリアできるんです。

スパイダーパネルには受け金具と預け金具が設けられていて、差し込みが楽で足場をより簡単にしかも安全に組めるようになりました。独自のズレ防止機能がついているため荷崩れしずらく、運搬時間の短縮に繋がっています。

またスパイダーパネルは見た目がとても綺麗で、スタッフの働くモチベーションも上がったような気がします。

ーー安全面で変わったことはありますか?

野口課長

やはり足場の隙間を気にせずに歩けるようになったのは大きいですね。足場の会社さんは昔から使用している材料を組み合わせて足場を作るケースが多く、システム吊り棚足場ほどの安全性を確保できているとは言えない状態です。足場の隙間が大きければ大きいほど事故の可能性が上がりますので、スパイダーパネルのような安全性を確保したシステム吊り棚足場がもっと普及してほしい思いがあります。

安全性の確保が、建築業界のより良い未来の形成に繋がる

ーー建設業界の問題点についてお聞きしてもよろしいでしょうか?

野口課長

建築業界では、最近人材不足に伴う外国人の技能実習生の採用が増えています。とはいえ、慢性的な人手不足が解消するわけではありません。技能実習生の採用すらも、まだ足りていないんです。現状を踏まえると、外国人の技能実習生が増えるのはありがたいのですが、彼らのほとんどが5年後に帰国してしまうため、どれだけ丁寧に教えても技術の継承に繋がらないと考えています。

ーーなるほど。技能実習生の増加はありがたい反面、日本人の働き手が増えなければ、技術の継承ができない問題が発生してしまいますね。ちなみに人材不足の原因はなんだと思いますか?

野口課長

建築業界は、「汚い」「きつい」「危険」といったいわゆる「3K」と言われています。その上、賃金もどんどん低下しているため、蔓延的な人手不足が発生している状態です。もし若い人が建築業界に興味を持ったとしても、ご家族の立場に立ったときに我が子が危険な工事現場で働くと想像すれば心配になるのも無理はありません。

ーーインフラは生活に欠かせない地盤ですので、無事故無災害、安全性は絶対条件ですね。

野口課長

経営者目線で見ると、自社で足場を組んでしまえばリース契約をする必要がないため、コストを抑えられるメリットがあります。でも、単管でつくった足場は隙間が大きいものが多く、その分危険性も高くなるんです。多少コストは発生しますが、それよりも絶対に人命を優先する必要がありますよね。働き手がいるからこそ、インフラが成り立っていて。コストが発生したとしても、スパイダーパネルのようなより安全なシステム吊り棚足場がもっと普及することで、現場で働く人の安全性を確保していきたいです。

そして、若い人の働き手を増やし、技術の継承を行い、より良いものを作っていく。その繰り返しが建設業界の明るい未来の形成へ繋がるのかなと。

ーーありがとうございます。建設業界の方がより安全に働くことができる環境づくりを我々もしっかり頑張りたいと強く思えました。

 

インタビューにご協力いただいた田中建設株式会社の野口課長、ありがとうございました!

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