【インタビュー】協会が人を繋げる場になってほしい。交流で広がる人脈づくりの大切さ 株式会社イワサキテック【前半】
今回は、システム吊り棚足場協会会員の、株式会社イワサキテック代表取締役 岩﨑潤太郎さま、(以下、岩﨑社長)にお話を伺いました。
建築の知識と人脈のつながりで実現した、人が集まる新事務所の魅力
——本日はよろしくお願いいたします。昨年建てられたばかりの新事務所にお邪魔しています。
とてもおしゃれなオフィスですね。全て木造でつくられているのですか?
岩﨑社長:
はい、こういうのが好きなんです。
近くに木材市場があり、そこと取引があるので木の選定から購入までやっています。
今の建築でいうと必要以上に木材を入れることは少ないのですが、私の場合は一番大きい梁の高さに合わせて、大きいものを通しで使っています。
——それに、とても良い香りがしますね。これはヒノキですか?
岩﨑社長:
そうですね、この事務所は総ヒノキです。
床もヒノキを使っていますよ。30mmの足場板のようなものを使っているので、頑丈です。
あまり使っていないこともありますが、物が多いのが好きではなく、整理整頓はできていると思います。作業中は多少散らかるときはありますがね。
——広々として開放感がありますね。従業員の皆さんは、この新しい事務所によく来られるのでしょうか。とてもリラックスしてお仕事ができそうですね。
岩﨑社長:
1階は常勤しているスタッフが使っていて、2階は現場の作業員達が書類整理などに使っていることがほとんどですね。 今は遠方の現場に出ている方が多いので2階を使用する頻度は低いのですが、戻ってきた時は来てくれていますよ。
書類整理などに使ってもらっています。場所はあるから勝手に使ってね、という感じですから居心地は良いと思いますね。
——事務所の中で、とくに気に入っている所はありますか?この壁の色合いも喫茶店みたいで素敵ですね。窓も大きくて自然な光が入ってきますね
岩﨑社長:
これは通年経過でだんだん飴色に変わっていくんですよ。この色も楽しめるのは今だけです。
やはりオフィスというと、どうしても外の光が入らないと暗いですし、詰まった雰囲気になりやすいですから。
窓が多いほうが景観も良いですし、まさに喫茶店のような雰囲気を目指したところです。
——ほっと一息つける環境を目指されたのですね。カウンターのようなテーブルも見えますが、これもカウンターとして使っているのですか?
岩﨑社長:
これは動かして移動させたり みんなで座って使えるようにしています。
これらは、工場で作ってもらいました。
一部大工さんに作ってもらったものもあります。こうした木材は安いので、木材としての仕入れ価格でいうと、2万円ぐらいで買えますよ。
もともと家具として売っていたものではなくて、加工はここから行います。
——なるほど、先ほど木材の市場と取引があると仰っていたのは、このことだったのですね。
岩﨑社長:
その場で「これもらうわ」とか、そういうノリで値段や木材を見せてもらい購入しますね。
足場も似たような形で仕入れています。市場で現物を見ていると、すごく木材が強いとわかります。
——足場まで…!それも日頃から知識があり、見定めができるからこそですよね。
岩﨑社長:
たしかに、普通の足場業者の方には難しいかもしれませんね。
日頃の取引があってこそです。みんなも結構協力してくれますし、この事務所の棟上げはうちの社員にやってもらいました。
——それはすごいですね!これも建築の知識があってこそですね。
会員同士の関わり、新会員さんとのつながり
——岩﨑さんは、会員同士でのつながりや関わり合いはどのように感じられていますか?
岩﨑社長:
新しい会員さんで言うと、博奈組の打田さんとは、仲良くさせてもらっていますよ。
協会関係の二次会では、ほぼ固定で飲みに行くメンバーとのつながりはあります。大阪での開催のときは私がお店を案内しますし、他の支部の場合は別のメンバーに案内してもらっています。
——なるほど、このつながりは協会に加入される前からあったのでしょうか。
岩﨑社長:
加入前からですね。協会に入ってからつながりを持った方もいますが、そうじゃない方も多いです。
現場でよく会っている方もいますし、北海道の現場などはよく一緒になりますね。
橋梁の仕事をしていたら全国を回ることになるので、こんなのが欲しいとかタイミングが合えば機材を送ったりもしますよ。
——会員様同士でうまく協力関係をつくられているんですね。
岩﨑社長:
材木関係もそうですし、今度うちでパイプが安く入りますと聞いたら、うちの分もいくらか仕入れてほしいとか、そういう話もします。
みんながお互いを都合よく頼り合っていますね。
ただ、まだ名前も知らず、顔を出していない会員の方々も多いと思うので、もう少し接点が増えると良いなと感じます。どうしても、メンバーが固定化してしまう傾向はありますから。
現場ツアーや営業交流の場を設け、人同士がつながれる場になって欲しい
——もう少しブロック・支部単位でもいろいろできればと私たちも感じていますが、岩﨑さんはやってみたいことはありますか?
岩﨑社長:
現場見学はやってみたいですね。 ツアーみたいにまわってみるのも面白そうだと思います。2〜3社くらいまわれるような形でなら実現できそうでしょうか。
——今の時期で行きやすくて、現場が多いエリアに絞ったら検討できそうですね。
岩﨑社長:
今のシーズンだと、おそらく北陸方面ですかね。北海道から東北あたりは今の時期が一番ピークなので、4〜10月くらいなら無理ではなさそうな気がします。
——会員さんたちからも、他の会員さんの現場や機材ヤードを見たいという声はたくさんいただいているので、なんとか実現したいところですね。
岩﨑社長:
うちぐらいの施行規模だと全国に倉庫が1〜4ヵ所あるため、見ていただこうと思えばいつでも。
私は機材ヤードより現場の方を見てみたいです。他の会員さんにとっても現場を見ることは、メリットが多いと思います。
より多くの会員同士が出会う機会を協会ならつくりだせる
岩﨑社長:
正会員に比べると、定例会や集まりに顔を出さない会員さんも多いのではないでしょうか。例えば、施行会員の方など、接点をつくりに来ないという選択は非常にもったいないと思いますね。
そうした場にくる方がチャンスがあり、お互いに仕事をもらえる・依頼ができるというWin-Winの関係で業界は成り立っているはずですから。
——私達も多くの会員さんに喜んでいただけるように、直接ご意見をいただいてそれを反映させていきたいですね。
岩﨑社長:
協会の定例や集まりは「人と人をつなげる場」ですからね。
いまは名刺交換もほとんどされていないですよね。その交換ができる場があるだけでも、協会の活動に参加しようという目的になるかと思います。
営業が上手でやり手な社長さんは、そうした場がなくてもある程度調べて、勝手に回ってバンバン仕事をとります。ただ、営業が苦手な担当さんはそうはいきませんから、きっと喜ばれると思いますよ。
——たしかに、交流の場になると分かれば、顔を出そうと思ってくれる会員さまもいるかもしれませんよね。
岩﨑社長:
もっとフォローをしてあげるなら、担当営業がついて紹介してあげるとか。
交流の時間が設けられていれば、営業が苦手でも自然と行動を起こせると思います。
大きい会社は職人が欲しいでしょうし、仕事が欲しい会社さんにとっては大手との広いつながりが欲しいはず。お互いの需要がマッチする部分がきっとあると感じますね。
——とても貴重なご意見ありがとうございました!現場ツアーの実現や、多くの会員さまに喜んでもらえる機会の創出・提供のためにもぜひ検討したいと思います。