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現場レポートコンテスト2025を開催!受賞した4社が発表

2026年2月6日にシステム吊り棚足場協会の第7回総会を、東京会場とZoomによるLIVE配信にて開催しました。
会場へお越しいただいた皆様ありがとうございました。

本投稿では、第7回総会で発表された「現場レポートコンテスト2025」の受賞とレポート発表の様子をダイジェストでご報告いたします。

2026年度も現場レポートコンテストを開催予定です。
ぜひ受賞・参加レポートの内容をご覧頂き、ご応募の参考になれば幸いです。

※ご意見・ご要望などございましたら、事務局もしくは㈱タカミヤの担当営業までご連絡ください。
※写真の保存・無断使用はお控えください。

現場レポートコンテスト2025

■現場レポートコンテストとは

システム吊り棚足場の施工事例の共有を目的に、提供されたレポートをコンテストとして表彰するもの。昨年から続いての開催となり、営業支援委員会が主催しております。

事務局が匿名状態でレポートを編集し、営業支援委員会の6名でそれぞれ評価を行い、事務局で集計しました。最優秀賞1名、優秀賞3名が選出され、総会当日に提出者様による受賞レポートのプレゼンテーションが実施されました。

▼コンテスト評価の5項目

  • より問題を解決した
  • より工夫されていた
  • より良い資料だった
  • よりコストを下げた
  • より安全にした

2025年度受賞企業のみなさまをご紹介

2025年の現場レポートコンテストの受賞に輝いた皆さまの表彰と記念撮影が行われました。

左から、最優秀賞 株式会社イワサキテック 髙瀬 晃弥 様、優秀賞 林工業株式会社 濱﨑 貴志 様、石田会長、優秀賞 株式会社佐々栄建工 佐々木 拓也 様、優秀賞 株式会社石井組 小保内義人 様

 

【受賞者一覧】

・最優秀賞 株式会社イワサキテック 髙瀬 晃弥 様
・優秀賞 株式会社佐々栄建工 佐々木 拓也 様
・優秀賞 株式会社石井組 高橋 稜太 様(会場では小保内 義人 様にご登壇いただきました)
・優秀賞 林工業株式会社 濱﨑 貴志 様

ご参加いただいた素晴らしい現場レポート

受賞レポート発表の前に、惜しくも受賞は逃しましたが素晴らしい創意工夫と熱意を感じられた現場レポートもご紹介。評価コメントと合わせて本レポートでは内容をダイジェストで記載します。

■株式会社WATANABE 川部謙友 様
ネオベスパ/Spider Panelを用いた
高速道路改修用吊足場~架空線取合い・スーパーデッキの活用~

▼評価コメント

  • ヤードや現場周辺の狭さをスーパーデッキの活用により解決
  • 複線通行の離隔確保を実現
  • 問題解決・工夫の点で高い評価を獲得

■株式会社WATANABE 川部謙友 様
ネオベスパ/Spider Panelを用いた
高速道路改修用吊足場~アサガオで実施する近隣対策~

▼評価コメント

  • 付近の民家への騒音対策として、吊り足場アサガオ部にエコーバリアを設置
  • 遮音壁代わりとして活用した近隣対策を実現した
  • コスト・安全面でもバランスよく評価され、総合的に優れた施工事例として評価された

■株式会社佐々栄建工 佐々木拓也様
一般国道340号 深戸下の橋橋梁補修(その2)工事

▼評価コメント

  • 在来工法から初めてVMAXを採用された現場で無事故無災害で完了
  • シート養生にしわが出ないよう細心の注意を払った施工と工夫が評価された

■株式会社佐々栄建工 佐々木拓也様
一般国道340号 深戸下の橋橋梁補修(その2)工事

▼評価コメント

  • 交通規制を極力かけないという要望に対し、規制内での橋梁点検車の使用とスーパーデッキの施工で柔軟に対応
  • 中段の段差をなくすことで、安全性と美観を両立した施工が評価された

■林工業株式会社 横島力八様
中央自動車道 与田切川橋他4橋橋梁補修工事(与田切川橋)

▼評価コメント

  • パネルを地組みし、設置箇所への吊り上げ・搬入・組み立てを行うことで施工時間を短縮
  • 高所の作業でも工夫を凝らし、安全性も実現した点が評価された

 

現場レポート受賞者 登壇

優秀賞 林工業株式会社 濱﨑 貴志 様

(修)構造物改良2-9  116pt

現場の特徴
首都高発注による耐震装置設置を目的とした現場です。
大きな特徴は設置箇所が14箇所にわたり、橋脚ごとに十字方向へ点在している点にありました。

 

施工上の課題と工夫
現場調査でBOX桁からI桁へ切り替わる箇所を発見。
合桁の間隔が広く、当初の計画では桁から吊り元が取れない問題が発生しました。

解決策として対傾構に単管を2本並べ、吊元にする方法を採用。強度計算も改めて行いました。設計と現場の差異をその場で吸収できたのは、日頃の経験と技術力の賜物といえます。

▼組み立ての様子と足場内部の様子

脚周りの繋ぎ合わせは梁下での難易度が高く、複数人で連携しながら夜間作業の中で設置を進めました。
足場の側面はメッシュシートで覆い、通気性が良く明るい作業空間を実現しました。

作業に必要なローリングタワーや昇降階段も設置し、快適に作業できる現場作りを目指しました。

安全について工夫した点

昇降設備(Iq足場)の各層に控えパイプを設置。養生を施して傷の防止と安全確保を両立しています。

外観と設計上の工夫

高速道路ジャンクション部分のため分岐・緩やかなカーブが存在する現場でした。

VMAXは直線部材が多いため、カーブへの対応では設計図面と現地の差異を確認・調整しながら施工を進めました。
一部の箇所では、外側の張り出しをスパン単位でギザギザに調整することで防護位置を合わせています。

防炎シートの固定には、継ぎ板にタッカーで留めたうえで短冊状に切ったコンパネで上から押さえる独自の工法を採用し、シートのズレや養生の乱れを防いでいます。
解体は2026年4月以降を予定しており、落橋防止装置の取り付けも控えています。

 

優秀賞 株式会社石井組 高橋 稜太 様  (登壇代理:小保内社長)

鮭見橋改良工事 119pt

現場概要
橋長:70.53m
幅員:2.40m
構造:鋼桁

施工前の様子

海岸線より500メートル上流にかかる沈道橋の補修工事です。
鮭の遡上が盛んなこの河川は重要な水産資源であり、漁業関係者との丁寧な調整が欠かせない現場でした。

 

施工上の課題と工夫

本現場で解決すべき課題は2つ。
一つは、鮭の遡上・捕獲シーズンに配慮した工期短縮の要求です。当初の在来単管工法では14日を要する計画でしたが、漁業関係者との調整により10日以内での組立完了が求められました。

もう一つは、塗装作業に配慮した十分な作業空間の確保です。
在来工法では作業空間が限られるため、VMAXを提案・採用することで空間を大幅に改善。
さらに吊りチェーンの間隔ピッチを変更することで、要求の10日をさらに短縮した8日間での組立完了を実現しました。5名体制での施工により、鮭の捕獲期間への影響もゼロに抑えられました。

 

安全について工夫した点

またVMAXの採用により、人力運搬のリスクを大幅に軽減するとともに、部材点数の減少が資材の飛来落下防止にもつながりました。

 

▼組み立ての様子

施工後の評価

システム吊り棚足場(VMAX)の提案により、工期・作業空間・安全性の三つの課題を同時にクリアしたことが、漁業関係者と発注者双方から高い評価を獲得できました。

特に、VMAXの採用に対し大変評価を頂き、500m上流に位置する道路橋についても、「次回もVMAXを採用してほしい」と、信頼の獲得が次の受注へと直結した好事例となりました。

 

株式会社佐々栄建工 佐々木 拓也 様

三枚堂橋 橋梁補修工事 131pt

現場概要

橋長:52.460m
幅員:4.321m
構造:鋼桁

施工前の様子

三枚堂橋は、車両通行は1日に数回程度と少ないながらも、散歩や自転車など地域住民が日常的に利用する生活橋です。

 

施工上の課題と工夫

伸縮ころばしの新サイズを初めて使用した現場です。
橋脚付近を1.8、1.2、0.9の組み合わせで伸縮を調整。新サイズの採用によりある程度の橋脚をころばしでまたぐことができるようになり、隙間・段差のない作業床の実現と施工効率の大幅な向上を達成しました。

元請けにも「ころばしの進化」として、高く評価いただきました。

 

▼コスト削減のポイント

コスト削減の切り口として注目されたのが、床材の工夫です。

コンパネ板張りに代わり、当社はフラットパネルを提案。
一般的なコンパネ板張りは消耗頻度が高く材料単価も上昇傾向にあり、使用後は産業廃棄物として処理が必要です。

フラットパネルは汚れても再塗装が可能で、不要になればスクラップとして処理できるため廃棄コストもかかりません。重量比較でも軽量であることが確認され、美観の面でも高い評価を得られました。

 

安全について工夫した点

当初の施工仕様には、屋根養生は含まれていませんでした。

しかし、現場は冬季に山から雪が吹き下ろしやすい地域であることを判断し、積雪による作業リスクを防ぐため元請けへ屋根養生を提案。採用に至りました。

屋根貼り作業での落下防止措置として、骨組み・板張り・シート養生の手順で丁寧に施工しています。

 

施工後の評価

施工期間中は無事故・無災害で完工。元請けからも改めてVMAXの良さを評価いただきました。
施工前の老朽化が進んでいた状態から、施工後は美しい朱色に生まれ変わり、地域のライフラインを支える安全な姿へ。

また本現場は「安全パトロール」の場ともなり、北海道から大阪まで多くの会員様とタカミヤ事務局の皆様にお集まりいただく、貴重な情報共有の機会となりました。

 

最優秀賞 株式会社イワサキテック 髙瀬 晃弥 様 

中央道池ヶ谷川橋(上り線)塗替塗装工事 139pt

現場概要
橋長:L=201.45
幅員:W=9.95
構造:鋼トラス橋

施工前の様子

現場は山岳部に位置するため下からの荷揚げが不可能であり、冬季の積雪対策も必要な、条件の厳しい現場でした。

 

施工上の課題と工夫

橋脚周りはVMAXの標準寸法が合わず、単管仕様になってしまうことが多い箇所です。

今回は特注のころばしを使用することで、橋脚から橋脚間をすべてVMAXで施工することに成功しました。部材の統一により施工管理が容易になり、足場全体のクオリティ向上にもつながっています。

積雪地域であることから、板張り防護の外側に専用の安全通路を確保。
急勾配の屋根を設けることで積雪の堆積を防ぎ、安心して歩ける専用通路を実現しました。

また、防護板には緑色の化粧板を採用し、山岳部の周辺環境との調和を意識した美しい仕上がりに。コンパネを使用した場合の経年劣化による見た目の問題も回避しています。

 

▼資材置き場の工夫

法面ステージを設置して作業高台を確保し、YTロックを使用することで重量機材も安置できる環境を整備。資材の搬入は橋面上からの交通規制によって行いました。

さらに、昇降階段に加えて工事用エレベーターを設置することで、資材の荷上げ効率を大幅に改善しています。

 

安全について工夫した点

安全対策として中段足場は、付け合わせ仕様を採用。
段差をゼロにすることでつまずき防止を徹底し、養生にかかる手間の削減も実現しました。

 

▼施工時の苦労とコスト削減

コスト削減の最大のポイントは「送り出し工法」の採用です。

BT400を用いてVMAXを2スパン施工し、順次送り出す工法により、高所作業車の使用日数を30日削減することに成功しました。

追い越し規制が取れない状況下から、トラス下弦材に仮吊りして側面足場を組み立てました。その後、橋上から本吊りに切り替えるという独自の手順で対応。VMAXは吊り直しが容易であるため、この方法がスムーズに実行できました。

また、養生シートにはスーパーライト防炎を採用し、通常シートの約1/3という軽さで作業効率を向上させています。

 

▼ 本レポートの講評コメント

最優秀賞に輝いた本現場レポートは、安全管理・作業効率・環境配慮に関する深い洞察と経験による分析が高く評価されました。
特に、特注ころばしの活用により橋脚間をすべてVMAXで施工できた点、積雪地域での安全通路の工夫、そして送り出し工法による高所作業車の大幅削減など、コスト削減と安全対策を高水準で両立した内容でした。

石田会長からは「勾配をつけた仕様は相当やりにくかったと思うが、美観もすごく良かった。大いに勉強になった」との言葉が寄せられました。

 

コンテストを終えた総評

システム吊り棚足場協会 会長
林工業株式会社 代表取締役
石田 英司 様

 

現場レポートコンテスト2025にご参加いただき、誠にありがとうございました。

本コンテストを通じて、多くの現場における施工の工夫や安全対策、効率化への取り組みが共有されました。

どのレポートも施工上の課題に対する創意工夫が随所に見られ、実務に役立つ内容ばかりでした。この取り組みは、業界全体の知見向上につながる貴重な機会となりました。

ご応募いただいた皆様、受賞された皆様に心より感謝を申し上げます。本コンテストが、日々の施工の質を向上させ、安全な現場作りの一助となれば幸いです。

引き続き、現場レポートコンテストを含む協会の活動へ、より多くの皆様にご参加いただき、現場での知見を共有しながら、さらなる技術向上を目指してまいります。

次回のコンテストへのご参加も、心よりお待ちしております。

 

以上、「現場レポートコンテスト2025」の内容をダイジェストでご紹介しました。

また第7回総会レポートでは、SSAアワードや協会全体の取り組みを掲載しています。
ぜひ、合わせてご覧ください。

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