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【インタビュー】田中シビルテック株式会社 様 現場

滋賀県を中心に全国で、特に構造物の「補修・補強」に取り組まれている田中シビルテック株式会社様。
今回はシステム吊り棚足場協会 正会員の有限会社岩﨑工業様のご紹介で、黒田大橋 補助道路修繕工事についてお話を伺ってきました。

有限会社岩﨑工業様の会社インタビューはこちら→

現場情報

  • 現場の特徴:曲線橋(縦断・横断勾配がきつい)、橋長約60,000m(道路中心線上)、総幅員 車道+歩道 13,800m
  • 完成年:1979年
  • 工事内容:補助道路修繕工事
  • 使用機材:VMAX
  • 足場面積:吊り足場約970㎡
  • 仮設日数:架設作業 8日(3月14日~3月31日) 4月1日より使用 延106日(2022年7月15日現在)
  • 予定仮設期間:2022年4月~2022年11月

やっぱり使いやすい!

――まずはこの現場でVMAXをご採用いただいた経緯を教えてください。

坂井課長補佐:

2019年頃からVMAXを使わせてもらっています。
他社の吊り棚足場も架けたことがあるのですが、VMAXのほうが足場内で作業しやすいですし・・・
他社の製品だと、排水口の真下に穴があけられないんですけど、VMAXは水を逃がす穴を作れますよね。
なので施工する側としてはVMAXのほうが使い勝手が良い。
あと、これは職人さんの腕が関係あるかもしれないんですけど、
足場を架けるスピードと解体するスピードが非常に速いです。

――それは先ほどおっしゃっていた、他社製品と比較して、ということでよろしいでしょうか?

田中常務:

基本的に当社は、何の仮設機材を使うかの裁量はすべて現場に任せています。
だけどシステム足場を使って施工性を高めたりとか、時代に合った施工を目指していこうっていうのは会社の中で決めています。
足場機材の情報を社内で共有して、VMAXを実際に使ってみたら「やっぱり使いやすい」っていう声が多いですね。

坂井課長補佐:

慣れもあるかもしれませんが、同じ職人さんがかけたスピードを比較しても非常に速いです。
前回は黒田大橋の1.5倍くらいの規模の足場でしたが、解体するのは4日で終わりました。(笑)
管理する側の立場で言うと、道路規制日数の減少や工期短縮もつながるので、
そういった点を含めてVMAXのほうが非常に使い勝手がいいと感じます。

――嬉しいご意見をありがとうございます。

 

――VMAXの使い勝手に非常にご満足いただけているとのことですが、他の現場でもお使いいただけているのでしょうか…?

坂井課長補佐:

はい。以前20m上にある橋にVMAXを使用して足場を架けたんですけど、
VMAXはシステム化されている分部材が少なくてすみますよね。
なので、足場を組み立てているときに部材を下に落とすリスクが減ります。
そういう点も非常に助かります。

 「施工性」と「安全性」を踏まえてVMAXを採用

 

――では次に今回の現場についてお伺いできればと思います。
――縦断と横断のキツイ現場だと伺っているのですが、床版(しょうばん)の高さに合わせて組まれたのでしょうか。それとも床面をフラットにするというのを優先されたのでしょうか?そしてそれは現場判断だったのか、以上をお伺いしたいです。

坂井課長補佐:

現場側の判断ですね。
現場によって架設可能な高さが何cm下までと高さが決まっています。
ですので、基本的には”もう下げられない”という位置でフラットにしたいというのがあります。
今回は床版高さに合わせて足場を架けると、作業したいのに届かない箇所が出てきてしまうので、
中間でちょっと段差をつけて組みました。
足場架設後のブラスト作業、塗装作業をする職人さんの使いやすさを考慮して
”すべてフラットにする”か、”段差を付けるか”を決めました
他社の機材だと、この架け方ができなかったんですよね。

――特にこの現場で”安全面はここに気を付けた!”というポイントがありましたら教えていただきたいです。

田中常務:

下請けの業者さんからVMAXの提案があったのもありますが、会社でも「施工性」も「安全性」も踏まえて
システム足場を推奨していこうというのを確認し合っていますね。
採用時点で一般的な足場より安全面を確保できるというのは、システム化されたものを使うことのメリットだと思っています。
各現場のほうにも施主さんのほうにも、そういう説明はしています。

坂井課長補佐:

あとは、今回足場を架けているときに橋の向こうで別の工事が行われていました。
だから「そちらの工事現場で車両通行規制をかけてしまうと車が出られないから、施工日程の調整をお願いします」と相談がありましたが、
VMAXは送り出し工法ができるので、他現場との協調が図れました。
車両通行規制をかける=第三者の交通事故発生等が発生する可能性があるので、
そういったことを踏まえると規制なしでも足場を架けられるのは"安全に工事を進められる1つの要因"になったと思います。

――今日見た感じでも、黒田大橋は結構交通量多いですもんね…

会社全体でシステム足場にシフト

 

――ちなみに少しお伺いしたいのですが、会社全体で橋梁の現場は年に何現場くらいあるのでしょうか?

田中常務:

全国で15現場くらいですね。
下請けとか細かいものまで合わせると年間100現場以上は橋梁の工事現場に関わっていると思います。

――その15現場のうちシステム足場を使われるのはどのくらいの割合になるんですか?

坂井課長補佐:

基本全部システム足場ですね。

田中常務:

すべてシステム足場にシフトしてもらっていますね。
いつもお願いしているレンタル足場会社さんが「VMAXがいいので、これでいこう!」と言っているので、足並みを揃えています。

坂井課長補佐:

小規模の現場があったので、そこで他社製品を試しに使用したこともあるのですが、
ちょっと改善の余地ありかなと感じました。

 

――それでは最後に、システム吊り棚足場に対するご要望などがありましたら教えてください。

坂井課長補佐:

可能かどうかは分からないのですが、端部にどうしても段が付いてしまいますよね。
現場によってRがあったり斜になっていたりで。
なかなか汎用性の高い端部用の部材を作るのが難しいのかもしれないんですけど、そういう機材があればいいなと思っています。

――ちょうど今開発中でして、現在生産に向けて準備を進めております!(笑)

坂井課長補佐:

あ、そうなんですか?ありがとうございます(笑)
今回の現場もそうですが、端部から50cm開けて橋脚とか橋台の作業を行います。
でもブラスト作業に入ると、外へ漏れるのを防ぐために端部から橋台や橋脚までを埋めないといけません。
しかしそれを埋める材料がないので、いつもは足場板をもう1段重ねてみたりするんですけど、やはり作業性が悪くなる。
だからなるべく端部までフラットに埋めたいと思っていました。

――これが先日VMAX分科会で試行してみた時の写真画像ですね・・・(社用スマートフォンから写真を表示)
VMAX分科会(試行会)の記事はこちらから→

坂井課長補佐:

これは画期的ですね!
端部までの足場を簡単に設置できるようになれば嬉しいです。

 

田中常務(写真下段右)と、坂井課長補佐(写真下段中央)と、田中シビルテック株式会社の皆さま

 

インタビューにご協力いただいた田中シビルテック株式会社 田中常務 坂井課長補佐 ありがとうございました!

 

(インタビュー記事:椿 美里)

 

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