【インタビュー】カワナベ工業株式会社 現場②
構造物補修・耐震工事から土木・建築など、街づくりに関わる様々な業務に力をいれているカワナベ工業株式会社様。
今回はSPIDER エキスパンド仕様パネル(以下、採光型パネル)を使った現場について、カワナベ工業株式会社 環境土木部 係長 星野 雄彦様にお話を伺ってきました。
現場情報
- 現場の特徴:アーチ橋、橋梁点検車の使用が困難
- 完成年:1984年
- 工事内容:橋梁修繕工事
- 使用機材:SPIDERパネル
- 足場面積:吊り足場(床面)約1650㎡、吊り足場(朝顔)790㎡
- 仮設日数:約90日(2022年8月29日現在)
- 予定仮設期間:2022年5月~9月
初めてシステム吊り棚足場を使用
——寄居橋ではスパイダーパネルを足場として使用されていますが、どのような経緯で採用いただいたのでしょうか?
星野係長:
実はシステム吊り棚足場で組まれた足場で作業するのは初めてなんです。
設計の段階で吊り棚足場にすることが決まっていましたが、
単管とパネル足場どちらにするかの指定はありませんでした。
はじめは単管で計画していたのですが、「単管じゃないといけない理由はないな」と思い、
見積もりを取ってみて「安くて」「安全」なシステム吊り棚足場を豊裕工業さんからレンタルすることになりました。
——はい。システム吊り棚足場を使用していただくことで、より安心して作業できる空間を提供できると思います。
——本日足場が完成したと伺いましたが、実際に見てみていかがでしょうか?
星野係長:
いつもより安全な足場になったなと感じました。
私も吊り足場の現場ばかりやってきたわけではないのですが、
在来工法と比べて速く施工されていたなと思います。
——安全面に関してはいかがでしょうか?
星野課長:
圧倒的に安全ですよね。
危ないなと思うような作業は見受けられなったです。
床面のパネル設置作業は、見ていてドキドキするような作業は特にないなと感じました。
——スパイダーパネルの施工範囲が本来計画していた長さから延長したと伺ったのですが、その背景を教えていただけますか?
星野係長:
今回は床版裏のクラックを補修する工事なのですが、事前にコンサルが行った調査結果が設計に反映されます。
その設計だと当初は100mないくらいだったのですが、当社でも調査を行ったところ2,000mはあるだろうということが判明しました。
はじめの計画では、半分吊り足場で もう半分は橋梁点検車での作業を予定していましたが、
2,000mもあると橋梁点検車での作業は不可能ということで、吊り足場の設置長さを延長することになりました。
——カワナベ工業さんが再度調査した結果を踏まえて、全面にスパイダーパネルを設置することになったんですね。
星野係長:
そうなんです。工事が決まった後に、施工業者として工事責任があるのでもう一度全面チェックを行います。
もしやり直しが発生してしまうと、耐震補強をした意味がなくなってしまうので。
今回の現場では、調査の結果 コンサルが計画した内容から大きく変わることになりました。
熱中症対策になる 採光型パネル
——今回採光型パネルが10枚ほどアサガオとして設置されていますが、いかがでしょうか?
星野係長:
この現場は基本的に養生の必要がないので、
10枚なんて言わずに全面採光型パネルになっていたら、風通しがよくなって非常に涼しくなるのかなと思いました。
ただ、塗装工事だと全面養生して隙間なく塞がないといけないので、
採光型パネルを使っても従来と変わらない環境になってしまうのかなと思います。
——たしかに塗装工事がある現場では、採光型パネルの良さが活かしきれない可能性がありますよね。
——今後も塗装工事など全面養生が必須とされていない現場であれば、また使いたいと思いますか?
星野係長:
そうですね、採光型パネルがあれば非常に助かります!
風がちょっと通るだけで、とても涼しく感じます。
橋に日が当たると地面が温められて、橋に設置している足場内の気温が上がりますが、
足場内は上も下も横も塞がれていて風が通らないんですよね。
特に夏場はずっとサウナの中で作業をするような感じで・・・(笑)
(一同笑い)
星野係長:
暑さ対策は熱中症予防対策にもなるし、安全に作業するための環境づくりになりますよね。
——夏場の橋梁工事現場はそのような危険もあるんですね。作業者の皆さんがより快適に作業できる環境づくりが必要だと感じました。
星野係長(写真左)と、豊裕工業 齋藤部長(写真右)
インタビューにご協力いただいたカワナベ工業株式会社 星野係長 ありがとうございました!
(インタビュー記事:椿 美里)